皮膚科疾患一覧

一般皮膚科疾患についてGeneral dermatological diseases

湿疹・かぶれ

【画像】湿疹・かぶれ

皮膚科を受診される患者さんに、とても多く見られる症状です。ブツブツや紅み、ガサガサしたりジクジクしたり、様々な皮疹を呈し痒みを伴うことが多いです。
原因としては、乾燥や摩擦による外的な刺激によるものが多いですが、他にはアレルギー、自己免疫(自分自身に対する免疫反応)、まれに薬剤によるものなどがあります。
痒みを伴うことが多いため、ついつい掻いてしまいがちです。しかし、掻くことによって皮膚の炎症が悪化しさらに痒くなる、という悪循環に陥ることが少なくありません。

治療として、痒みや炎症を抑える外用薬や内服薬を症状に応じて使い分け、こうした悪循環を断ち切る必要があります。
特に冬場は乾燥が原因となる場合も多く、徹底した保湿スキンケアを行い、ぶりかえさないように日常生活の中に保湿の習慣を取り入れていきます。
接触皮膚炎(かぶれ)が疑われる場合には、アレルギー検査(パッチテスト)も行っております。

アトピー

アトピー素因(体質)と環境的要因により皮膚のバリア機能が低下し、様々なことが要因・増悪因子となって症状を引き起こし、慢性的に湿疹を繰り返します。
アトピー性皮膚炎の多くの患者さんは、皮膚が乾燥しやすい肌質とアレルギーを起こしやすい体質を併せもっています。
治療は内服薬や外用薬を中心に個々の症状に応じて行いますが、皮膚のバリア機能を補うためのスキンケアがとても重要です。
保湿剤をつかうことで足りない皮膚のバリア機能を補い、外的悪化要因から守り、症状悪化の予防につながります。
治療で炎症が治まってもスキンケアを怠ると炎症は容易にぶり返してしまいます。
治療薬および保湿剤をうまく調節しながら症状のコントロールをしていく必要があります。
慢性疾患のため、治療や日々のスキンケアには根気が必要ですし、肌質や生活環境によってはかなり難治なケースもしばしばあります。
ただ、最近では内服薬・外用薬に加え注射薬(生物学的製剤)なども開発されてきておりますし、紫外線療法の併用も効果が期待できます。
患者さんそれぞれの症状や生活環境に併せた幅広い治療のご提案・ご提供を行っていきたいと考えております。

【画像】アトピー

うおのめ

【画像】うおのめ

たこ・うおのめは、足などの特定部位に過度の圧力がかかり続けることにより、皮膚が固くなってしまう状態であり、日常的に非常に多く見られます。
このうち、たこは皮膚表面の角質が部分的に肥厚したもので、あまり痛みは伴いません。
これに対し、うおのめは肥厚した部分にさらに圧がかかり、深部へ陥入する形で芯ができてしまった状態です。
歩行時に刺激されて痛みが走るケースがよく見られます。
治療は、基本的にスピール膏を使用して患部を柔らかくしてからメス・ハサミなどを用いて削り、痛みの改善を図ります。

ヘルペス・帯状疱疹

【画像】ヘルペス・帯状疱疹

ヘルペスには、単純疱疹(単純ヘルペスウイルス)と帯状疱疹(水痘・帯状疱疹ヘルペスウイルス)があります。基本的に小さい水疱を伴う赤い発疹を呈することが多く、痛みや痒みを伴います。しばしば虫刺されと見分けがつかないこともあります。いずれのヘルペスウイルスも一度感染すると、感覚神経の神経節というところに潜伏し続けます。そして、疲れやストレス、免疫力の低下などが原因で抵抗力が弱まった時、潜伏しているウイルスが再び活性化し、神経に炎症を起こすことで発症します。

一般的に単純疱疹は口唇や陰部にできやすく、繰り返しできてしまう体質の方もおられます。帯状疱疹は顔面や体幹にできやすいとされておりますが、頭から足先までどこにでも出る可能性があります。
治療は抗ウイルス薬の内服薬で行いますが、発症後なるべく早い治療が望ましいです。特に帯状疱疹では神経痛が後遺症として残ることも多く、早めの診断・治療は後遺症のリスク軽減につながります。特に痛みが先行し、後から皮疹が出てきた際は、なるべく早目に受診されるのをお勧めします。
また、当院では帯状疱疹の予防接種も行っております。ご希望の方はご相談ください。

いぼ

【画像】いぼ

いぼといわれるものには色々あります。乳幼児にできる水いぼ(伝染性軟属腫)、学童期にできやすい手足のいぼ(尋常性疣贅)、若者の顔などにできる平らないぼ(扁平疣贅)、肌質や生活習慣によって首まわりや腋などにできるに米粒くらいのいぼ(軟性線維腫)、高齢者の顔や手の甲などの日光によく当たる部位にできやすく、シミが盛り上がったいぼ(脂漏性角化症)などがあります。
治療としましては、水いぼは基本的に専用のピンセットで摘除します。処置時痛みを伴いますので、希望があれば麻酔テープを使用いたします。

その他のいぼは基本的に液体窒素を使用した冷凍凝固療法で治療いたします。
ただ施術後の色素沈着や色素脱失が生じやすいため、軟性線維種や脂漏性角化症は炭酸ガスレーザーを使い治療することもあります。
またいぼだと思っても他の腫瘍性病変の場合もあります。気になるようでしたら遠慮なくご相談ください。

水虫

【画像】水虫

水虫は白癬菌というカビが主に皮膚の表面で増殖した結果、症状を呈します。
カサカサや皮むけの他に、水疱や紅み等も出ることもしばしばあり、場所も足だけでなく生活環境によって腋や股、首などにもできます。
汗をかきやすい時期や部位に出やすく、あせもや湿疹と見分けがつかないことも多いです。
真菌検査を行ったうえで適切な治療をする事が望まれます。ただ、抗真菌薬を外用している状態ですと真菌検査で菌が出づらく、正確に診断することができない場合が多いので、できれば抗真菌薬を使用する前の受診をおすすめいたします。
治療は抗真菌薬の外用が基本で、爪白癬や病変が広範囲に及ぶ場合は内服薬も考慮いたします。内服薬での治療には、肝機能や貧血などをチェックする必要があり、治療開始前、および治療中必要に応じて血液検査をしながら治療にあたります。

じんましん

【画像】じんましん

じんましんは痒みが強く、蚊に刺された時のような盛り上がった皮疹やミミズ腫れが出現します。通常は数分~24時間以内にできていったんは消えるものの、繰り返し出現します。発症してから4週間以内に治るものを急性蕁麻疹、それ以上続くものを慢性蕁麻疹と呼びます。
原因は特定できないものが9割以上を占めています。特に、慢性蕁麻疹にはその傾向が強いです。お子様の場合には、風邪や胃腸炎など体調を崩したりして出てくることも多く、大人の方でも疲れやストレスが関係している方も少なくありません。

そのほかの原因として、物理的刺激(摩擦や気温の変化)によりでてくるものや、食べ物や薬品などのアレルギーで蕁麻疹がでることもあります。食べ物や薬剤のアレルギーが疑われる場合には、血液検査(アレルギー検査)も考慮いたします。
治療は基本的には抗ヒスタミン剤の内服を行います。難治な場合や症状が強い場合は、他の内服薬や点滴などを併用することもあります。

ニキビ

【画像】ニキビ

ニキビはほとんどの方が経験する身近な皮膚疾患です。特に思春期にできることが多いですが、長い方では中高年まで続くこともあり、顔にできやすいことから患者さんにとっては大変ストレスの大きい疾患です。
原因としては、ホルモンなどの影響により、皮脂の過剰な分泌が起こり、毛穴の中に皮脂がたまることで、毛穴がふさがり、コメド・皰(めんぽう)という状態になります。そこに皮脂を栄養源とするアクネ菌が急激に増殖すると、赤くて痛みのあるニキビを引き起こします。

大人のニキビは、ホルモンバランスの乱れ、睡眠不足、ストレスや生活環境など、様々な要因が複雑に絡み合ってできることが多く、治りにくいのが特徴です。
悪化させると治すことの難しいニキビ痕が残ることがありますので、軽症のうちからできるだけ早期に治療を開始し、ニキビのできにくい状態を保つことが望ましいです。
治療は、ニキビの種類と重症度を判断し、患者さんの肌質などをみながら外用薬、内服薬を選択しご提案いたします。

乾癬(かんせん)

【画像】乾癬(かんせん)

乾癬は一見湿疹によく似た、少し厚みのあるガサガサする皮疹を呈します。慢性的に症状を繰り返してしまう疾患で、できやすい部位は慢性の機械的な刺激を受けやすい頭部、肘、膝、臀部、下腿などです。青壮年期(15~50歳ころ)に発症することが多く、皮疹は多発しますが、通常内臓を侵すことはありません。
乾癬にはいくつかの病型がありますが、乾癬の患者さんの9割が尋常性乾癬という病名(病型)です。
原因は完全にはわかっていませんが、乾癬になりやすい体質(遺伝的素因)があることはわかっており、遺伝的素因に様々な環境因子(不規則な生活や食事、ストレス、肥満、感染症、特殊な薬剤など)が加わると発症するといわれています。

乾癬は慢性的に良くなったり悪くなったりを繰り返します。症状をコントロールしうまく付き合っていく病気になるので、症状の程度や生活環境に応じ、当院では内服・外用薬、紫外線治療を調整しながら治療を行います。難治な場合や関節症性乾癬の場合は、生物学的製剤の適応になり、大学病院や連携病院へのご紹介もさせていただきます。